平成25年度 中央大会のための事前研修会資料

事例1

キッカーがキックをし、一塁へ向い、ボールは、一塁へ送球されたが、一塁手が捕球時に足が離れた。その後、キッカーランナーは、オレンジベースを空過してしまった。

一塁塁審は、ジャッジをしなかったが、オレンジベースを空過、走り越したキッカーランナーは、オレンジベースに帰塁した。

その時、一塁手は、ボールでキッカーランナーをタッチした時、一塁の塁審は、「セーフ」のジャッジをした。

ルールブック P12.3.(3)

一塁ベースを走り越した後は、キッカーランナーは、白色ベースに帰塁しなければならない。」を適用。

オレンジベースは、一度走り越したら、無効となる。

よって、この場合は、「アウト」である。

 

事例2

1アウト、満塁でキッカーが3塁線にフェアの鋭いライナーを蹴り、そのボールが触塁中のランナーに直接当たりました。

ボールはランナーに当たった後、境界線を割りボールデッドとなりました。

球審はボールデッドのコールをしましたが、ランナーに当たった時点をボールデッドとし、ランナー及びキッカーランナーへの1個の安全進塁権を指示したうえ、得点は1点でプレーを再開しました。

ルールブック P39.9.(4)

「キッカーに対して安全に一塁が与えられる場合で、触塁中のランナーに、フェアのキックされたボールが触れたとき。」を適用。

また、ルールブック P57.2.(15)

「フェアーキックのボールが触塁中のランナーに触れたとき。・・・は、インプレイである。」を適用。

 

よって、この場合は、ボールが境界線外に出た時を、ボールデッドとし、キッカーランナーには、一塁を与え、ランナーには、2個の安全進塁権を与える。また、ボールデッド時には、キッカーランナーは一塁には達していないため、ランナーに、押し出しによる安全進塁権は、発生しない。

1アウト、一塁・三塁で、得点は2点で、プレイを再開する。

 

1アウト、一塁・三塁でキックボールが触塁中のランナーに当たり、フェア地域を転がっています。

事例2を参考にして、インプレイ中ではあるが、キッカーランナーには、一塁を与え、一塁ランナーには、押し出しによる1個の安全進塁権を与える。また、三塁ランナーには、安全進塁権は発生しない

したがって、野手がキックボールを拾い、一塁または二塁に投げてベース上で保持をしても、アウトにはならない。が、その先の塁を狙おうとしてタッチされれば、アウトとなる

 

事例3

2アウトでもランナー2、3塁、ショートゴロのボールを1塁へ送球しましたが、送球が少し本塁側へ逸れて、ベースコーチが偶然にもナイスキャッチしました。ベースコーチがボールに触れなければ確実に境界線を割る状況でしたので、故意にキャッチして守備を妨害したとは思えませんでしたので、境界線を割ったと想定し、ジャッジはテイク2としました。得点は2点を認めました。

ルールブック P39.8.(4) 注) を適用。

ベースコーチが境界線を越えそうなボールを故意に止めた場合と、送球を故意に妨害した場合とは別と考えた方が良い。

送球を妨害は、守備者が送球しようとしている、または送球されたボールを保持しようとするのを妨害した場合。(即ち、守備妨害)

境界線を越えようとしているのをベースコーチが止めるのは、妨害には当たらないと考えられるので、ボールデッドで、キッカーに1塁への安全進塁権とランナーをボールデッド時に占めていた塁に戻す

 

事例4

キッカーが、キックをするため蹴り足を振ったが、タイミングが合わず靴底に当たってしまったので、ボールデッドとし、キッカーをアウトにした。

故意に、投球を靴底で止めたり、押し出していなければ、不正キックではないと判断する

したがって、インプレイとし、そのままプレイを見守る。(フェア地域に転がる場合、ファウル地域に転がる場合)

 

事例5

ランナー1塁、3塁でフォアボールの投球直後、キャッチャーが投球を後ろへそらし、ボールが境界線を出て行ってしまったため、フォアボールを優先し、キッカーに対する1塁への安全進塁権のみで、ランナーへの1つの安全進塁権をなしとした。

キッカーに対しては、フォアボールによる1塁への安全進塁権のみが与えられる。

ランナーに対しては、境界線を出たことによる1つの安全進塁権のみが与えられる。

注)フォアボールの投球直後、キッカーランナーが一塁に到着する前にボールが境界線を出たた、一塁のランナーには、押し出しによる安全進塁権は、発生しない

そのため、キッカーランナーは1塁へ、1塁ランナーは2塁へ、3塁ランナーはホームインで1点となり、ランナー1塁、2塁である。

参考: P45.3.塁の占有権 (2)ランナーの塁の占有権はつぎの塁に正しく触れるかあるいは、後位のランナーのために塁を空けざるを得なくなるまで続く。 とあるため、1塁ランナーはフォアボール(押し出し)により空けざるを得ないため1塁の占有権は無くなるが、2塁の占有権はまだ発生していない。そのためテイク1で、2塁となる。

球審のコール:ボール→(フォアボール)→ボールデッド→テイク1(指を1本立てる)

 

inserted by FC2 system